マネジメント

【体験レポート】経営融資相談士研究協会のセミナーに参加してきました

高木健太郎

監修:高木健太郎(税理士)

株式会社ナレッジラボ執行役員ビジネスサクセス本部長、兼税理士法人ナレッジラボ代表社員

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更新日:2020年4月24日 投稿日:2020年4月23日

経営融資相談士研究協会様のセミナーに参加してきました!
オンラインセミナーで自宅から受講することができ、内容も非常に濃いものでした。

今回は体験レポートという形でセミナーの様子をお伝えいたします。

はじめに

コロナウイルスの感染拡大はとどまるところを知らず、非常事態宣言が発令され、多くの事業活動が自粛されている状況にあります。
ナレッジラボ自身も事業再生業務を行い、税理士法人を有していることから、顧問先の業況がみるみるうちに悪化している状況を目の当たりにしています。

我々に寄せられる相談で最も多い事項は資金繰りです。
将来の売上予測が非常に立てにくい現状で、最も重要なことはやはり資金繰りだと思います。
資金繰りを適切に手当し、事業を継続することができれば、多少BSが痛んだとしても仕方がないと思います。
このような非常時にこそ会計事務所の価値が問われる、腕の見せ所だと思います。

今回、経営融資相談士研究協会さんのセミナーに参加してみました。
そのレポートをお伝えしてします。

なお今回のセミナーは、オンラインで開催されました。
外出自粛が続いている昨今、自宅から参加できるオンラインセミナーは非常にありがたいです。

第一部 税理士 大野晃氏の講演

大野氏はこれまでに飲食専門の会計事務所の立ち上げ、税理士向けのコンサルティングなど、税理士という資格をフルに活かしてマルチに活躍されてきました。

今回のメインテーマである資金繰り管理についての重要性について、税理士業界の将来像を交えての講演です。

大野氏のこれまで培ってこられた知見はもちろん、多くの税理士からの情報も集約、整理され、非常に示唆に富んだお話でした。

その中でも重要だと感じたのは、顧問先が何に価値を感じてくれるか、会計事務所としてどういったサービス展開をしていくべきかについて、マーケティングの視点からお話をされていた点です。

今まで記帳代行、決算申告を行っていた会計事務所は今後生き残っていくことは難しく、新たな付加価値サービスを始めるべきというのは胸に残りました。

このような経済環境が大きく変わっていく中で、会計事務所に求められる価値はどんどん変わっています。
その現実を認めて、変化していく重要性を改めて認識させられました。

また顧問先との商談におけるクロージングトークのお話も非常に面白いものでした。
こういったノウハウはなかなか外には出ないと思われます。
ご自身がおそらく多くのチャレンジを積み重ねて得てきた貴重なノウハウをここまで開示されることは驚きでした。

第二部 日本政策金融公庫元職員のVTuber みつき氏の講演

Twitterでの発信など実務的な内容が多く、とても勉強になるため個人的にフォローをしておりました。

本編とは関係ないのですが、全編にわたって非常に聞き取りやすい、はきはきとした声でした。
顔出しをされていないVtuberなので、そのあたりを気をつけていらっしゃるのかなと感じました。

内容としては、さすがは元公庫職員といった内容でいずれも非常に実務的で、かつすぐに使える内容でした。
元公庫職員としての視点、上司から受けた言葉などどれも想像以上にリアルなお話でした。

まずは公庫のコロナ融資の現状からお話が始まりました。
私の肌感と同じく、公庫は相当に混みあっているというお話でした。
混みあっているということは当然に審査・事務処理にも時間がかかるということなので、我々税理士が想像以上に早めに動いた方が良さそうです。
顧問先のキャッシュが尽きるのが見えてから動いても手遅れになってしまう可能性があります。

公庫融資を通すための事業計画書についても、非常にわかりやすく解説がありました。
公庫のコロナウイルス感染症特別貸付は、売上減少の申告書など簡易的な書類のみで通る印象がありましたが、やはりそれだけでは足りないという感覚を持ちました。

公庫からすると、将来しっかり返済がなされていくかという視点は当然に重要であり、このあたりはManageboardを活用して将来のPLやキャッシュフローを説得力のある形で示すことができれば強力な武器になると感じました。

融資に有利な業種、不利な業種も個人的にはあまり持っていない視点でした。

貸す側の論理からすると、言われてみればそうだと感じるのですが、自分のお客様を思い出して具体的なイメージを持つことができました。
公庫はあくまでも公的機関であり、その意味で融資に不利な業態があるというのは目からうろこの感覚でした。
あくまで社会のために役に立っているか、大きな視点でみると日本経済の成長に繋がるような事業・業態かという点で見ているのはとても興味深く感じました。

公庫の意思決定プロセスは何となく理解していたつもりだったものの、やはり公的組織であるためか民間金融機関より上下関係がしっかりしている印象を持ちました。

 

第三部 税理士 藏田陽一氏の講演

全体として、非常にざっくらばらんに、オープンに講演をされました。

個人的には私が勤務税理士時代に藏田氏の著書を読んだことがあり、ご本人の講演を聞くことが始めてだったため感動しました。

講演ではマーケティングについて示唆に富むお話をされました。
その中で最も印象的だったことはマーケティングの各種主要数値が藏田氏の頭にしっかりと入っていることでした。

マーケティングは多くの数値と向き合い、多くの施策を進め、その結果をみて改善を高速回転させていく必要があります。
ご自身がチャレンジされてきた数字について、具体的な数字をもって全て語れるというのは我々も学ぶべきだと感じます。

またご自身にとってはもちろん、会計事務所のスタッフにとってもストレスの少ない仕事を志向されている点は興味深かったです。
昨今、会計事務所はどこも人手不足ですし、人材に選ばれる会計事務所にするポイントも合わせて勉強になりました。

これに関連して優良顧客と契約していく方法、あまりよくない顧客を見抜く方法は、多くの顧問先と関わってきた経験から得られたノウハウだと思います。
私も今までの経験から思い返してみると、藏田氏がおっしゃっていた点はぴったりとはてはまりました。

 

最後に

今回のセミナーは全編オンラインで行われました。
私は自宅から参加しました。

ひと昔前は、首都圏とそれ以外で情報量に大きな差があり、会計事務所運営についてどうしても格差が生まれてしまっていた傾向があると思います。

今はWEBセミナーがあり、自宅からでも豊富な情報を手に入れることができます。
非常に便利な世の中になったと思います。
自ら意志をもって情報に到達できることができる今の時代はとても恵まれていると思いますし、チャンスは目の前に転がっていると改めて感じました。

今後もオンラインでセミナーをされるようです。
もし興味があればこちらをご参照ください。

 

高木健太郎

監修:高木健太郎(税理士)

税理士資格取得後、NTN㈱・旭硝子㈱において、原価計算を中心とした管理会計、予算管理などの業績管理業務を経験。 その後株式会社ナレッジラボの設立に参画し、上場企業での業績管理実務の経験を活かし、中小企業にクラウドツールやバックオフィス業務の効率化を推進。 現在はManageboardのカスタマーサクセス部門の責任者として、ユーザー様がManageboardを使いこなして頂くためにあらゆるサポートを行っている。

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