業務効率化

iPadレジを徹底比較〜スマレジ、エアレジのデータ分析比較〜

国見 英嗣

監修:国見英嗣(公認会計士)

有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社にて監査、ITコンサルティング、M&A・事業再編アドバイザリーなど経営管理領域の業務を幅広く経験。

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更新日:2020年1月9日 投稿日:2019年12月27日

個人事業や中小規模の飲食店や小売店を中心に、インターネット上で売上データを管理するクラウド型のiPadレジのシェアがどんどん大きくなっていっています。
レジごとに違いはたくさんありますが、iPadレジを導入する最も大きな目的は「売上や顧客データの分析」が挙げられると思います。
今回は、売上・顧客データの分析の観点から、主要なiPadレジの違いを解説します。

エアレジ

売上分析画面はエアレジのアプリ画面、もしくはインターネットにつながったパソコン画面から確認できます。

エアレジの日別売上分析

表示上は「日別売上」となっていますが、実際は日別の他にも、月別、年別、時間別を選ぶことができます グラフで表示され、売上と客数を把握することができます。

エアレジの商品別売上分析

「販売総売上」「粗利総額」「販売商品数」について、ワンクリックで並び順を入れ替えることができます。

一般的に最もチェックされるのは「販売総売上」です。しかし、最終的に利益に貢献している商品を把握するためには「粗利総額」でチェックすることが重要です。
なお、「粗利総額」機能を有効に使うには、事前に商品ごとに原価設定を行っておく必要があります。

エアレジの顧客別売上分析

顧客一覧で顧客ごとの過去の会計回数や前回会計日を把握できます。詳細ボタンから顧客ごとの過去の購入履歴の確認も可能です。

顧客一覧の詳細検索では年齢や登録日等での絞込みもできますので、ダイレクトメール等を送る際に活用することが可能です。

エアレジの店舗ごとの売上分析

エアレジは1アカウントにつき1店舗しか使えません
複数店舗をお持ちの方は店舗ごとにエアレジアカウントを作成する必要があります。1つのエアレジアカウントで複数店舗の業績を合算して把握することはできません。

スマレジ

無料のエアレジに比べるとスマレジは多彩な分析機能があることが特徴です。
売上分析画面はアプリではなく、ブラウザから確認します。

分析種類は次の通りで、スマレジで特徴的な機能について解説します。

スマレジの日別売上分析

エアレジとほぼ同じ情報が出力されますが、スマレジには「前月実績」と「前年実績」が表示されるのが特徴です。前月の売上や前年度の売上と比べられることで、どの程度売上が変動したのかが、一目でわかります。

飲食店や小売店であれば、売上高に月ごとの一定の波(季節要因)があるケースが多いと思われます。
前年実績対比で売上データを比較すれば、季節要因を排除した売上分析が可能になります。

スマレジの曜日別売上析

曜日ごとに売上高が出力されます。飲食店や小売店は曜日ごとに売上にばらつきが出ることが一般的です。

売上が芳しくない曜日については、キャンペーンでの売上底上げ検討などに活用することができます。
また、スタッフのシフトや店舗の休日、飲食店ならランチを実施すべきかどうかの店舗経営の意思決定にも利用することができます。

スマレジの店舗別売上集計

スマレジは1アカウントで複数店舗の売上分析が可能になり、店舗ごとに売上高が集計できる機能があります。
売上高のほか、店舗ごとの粗利益や客数、客単価も表示されます。これは、エアレジにはない機能ですね。

これにより、店長が集まる幹部会議において、スマレジの店舗別売上集計をそのまま店長会議の資料として活用することができます。
店舗ごとの予算設定も可能ですので、予算に対する達成度合いも把握でき、店長等の管理者の人事評価に活かすことができます。
複数の店舗がある場合は、スマレジの店舗別売上集計機能が便利です。

スマレジの販売員別集計

販売員ごとの売上高集計が可能です。
販売員ごとに売上目標を設定して、その達成度合いを計り販売員の昇進や賞与金額等の査定に活かすことができます。
また、小売店や美容院では販売員に対し歩合手当を設定しているお店もあります

販売員ごとに特定の商品をどれだけ販売したかのデータも取ることができますので、歩合手当を算出する上での集計データとして活用が可能になります
なお、売上高の多い順番で販売員を並び替えることもできるため、売上高の月別・半期・年間上位の販売員を把握し、社内表彰に活かすこともできます。

スマレジの顧客管理機能

過去の取引金額や特定商品の購入など、エアレジよりも多くの検索条件で顧客情報を抽出することができます。
エアレジとの大きな違いとして、顧客ごとに会員のランクをつけることが可能です。
例えば「過去1年間に10万円以上購入した人はプラチナ会員」、「5万円以上はゴールド会員」、「2万円以上はシルバー会員」とする運用も可能です。
また、特定商品を購入した顧客を抽出することも可能です。
例えば、スーツ店でAというブランドの新商品の販促を行いたい場合、過去1年間に同じAというブランドの商品を購入した顧客リストをスマレジで抽出し、DMを送るといった施策をとることができます。
顧客情報の抽出条件は次の項目になります。

比較のまとめ

レジの使い分けですが、次のように整理して考えましょう。

エアレジ

  • 1店舗だけの場合
  • 開業したばかりでオーナーが店舗に常駐している
  • 最低限の売上・顧客データ分析があればいい方

スマレジ

  • 複数店舗
  • スタッフを雇用している
  • 売上や顧客データについてしっかり分析をしたい方
  • 売上データを活用して、売上を伸ばしていきたい方

国見 英嗣

監修:国見英嗣(公認会計士)

有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社にて監査、ITコンサルティング、M&A・事業再編アドバイザリーなど経営管理領域の業務を幅広く経験。その後、株式会社ナレッジラボを創業し、代表取締役CEOに就任。

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