業務効率化

MFクラウド給与を使いこなすための初期設定の手順

国見 英嗣

監修:国見英嗣(公認会計士)

有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社にて監査、ITコンサルティング、M&A・事業再編アドバイザリーなど経営管理領域の業務を幅広く経験。

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更新日:2020年1月9日 投稿日:2019年12月27日

MFクラウド給与の会員登録

まず、MFクラウド給与のトップ画面にアクセスして、ユーザーの新規登録を行います。
MFクラウド給与のトップ画面
画面右上の「新規登録」ボタンをクリックしてください。
そうすると、MFクラウド給与の新規登録画面に移ります。
この画面でユーザー登録を行います。
ここで、MFクラウド給与に登録したいメールアドレスとパスワードを入力します。
登録する前に、利用規約と個人情報保護方針を読んでおきましょう。
最後に「以下に同意して利用を開始する」ボタンをクリックすると登録できます。

MFクラウド給与の事業所設定

会員登録が終われば、次はMFクラウド給与の事業所を設定します。
この画面でMFクラウド給与の事業所設定を行います。
ひとつずつ見ていきましょう。

事業所区分・事業所名

事業所区分には、MFクラウド給与で給与計算をする事業所が法人か個人かを登録します。
また、事業所名には、給与計算の対象となる事業所の名称を登録します。
通常、法人の場合は会社名、個人事業の場合は屋号で問題ないと思われます。

担当者・電話番号・都道府県

MFクラウド給与を日常的に操作する担当者の名前と電話番号を登録しておきます。
また、都道府県は、事業所の所在する都道府県でOKです。

締め日・支給日

毎月の給与の締め日と支給日を登録しておきます。
賃金の締め日は1ヶ月の給与計算の基準となる期間がいつからいつまでかということを決めるための日になります。例えば、「毎月20日締め」ということであれば、給与の計算は前月21日から当月20日までとなります。
また、支給日は、給与の締め日で計算した給与を支払う日です。例えば、「当月末払い」ということであれば、計算した給与を当月末に従業員に支払うということです。

MFクラウド給与の基本設定

次に、MFクラウド給与の給与計算の基本設定を行います。
こちらは、後ほど修正できる項目となるので、わからない項目などはいったん仮登録をしておくだけでもOKです。
この画面で基本事項を入力します。
それでは、順番に見ていきましょう。

源泉徴収税額の計算方法

源泉徴収税とは、従業員への給与や税理士などの専門家への報酬で発生する税金(所得税)を会社・事業主が差し引いて支払い、会社・事業主が差し引いた税金を従業員などに代わって国に納付する制度のことです。
MFクラウド給与では、源泉徴収税額の計算方法が、「税額表(月額表)を使用する」か「電算機計算の特例を使用する」が選択できるようになっています。
「税額表(月額表)を使用する」方法は、国税庁のホームページにも置いてある給与所得の源泉徴収税額表に基づいて源泉徴収税を計算する方法であり、「電算機計算の特例を使用する」方法は、MFクラウド給与で源泉徴収税を計算する方法となります。
どちらでもMFクラウド給与で自動計算してくれるので問題ないですが、「税額表(月額表)を使用する」方法の方が計算した源泉徴収税額をチェックしたいときに源泉徴収税額表で簡単にチェックできるため、こちらがおすすめです。

健康保険

まず、健康保険に加入しているかどうかを選択します。基本的には、以下のような場合は健康保険に加入しているはずですので、「加入している」を選択します。

法人形態の場合(株式会社など)

強制適用となります。

個人事業主の場合

従業員が5名以上の場合は強制適用となります。ただし、従業員が5名未満、あるいは、サービス業の一部(クリーニング業、飲食店、旅館など)の個人事業主は従業員数に関係なく社会保険は任意適用となります。
また、健康保険の種類としてMFクラウド給与では次の3つから選択します。

健康保険の種類 対象
協会管掌事業所 協会けんぽに加入している事業所 
組合管掌事業所 組合国保に加入している事業所 
国民健康保険組合 国民健康保険組合に加入している事業所(個人事業主)

厚生年金保険

次に厚生年金保険に加入しているかどうかを選択します。基本的には、健康保険に加入している事業所は厚生年金保険に加入してますので、「加入している」を選択します。
また、管轄の欄には、健康保険、厚生年金保険の「新規適用届」などの書類を提出している年金事務所の名前を入力してください。

労災保険料率用業種

労災保険については、まず労災保険に加入しているかどうかを選択します。労災保険は従業員が1人でもいれば強制的に加入義務がありますので、従業員を採用している場合には「加入している」を選択します。
また、労災保険は、業種によって適用料率が変わってきますので、給与計算する事業所の業種をMFクラウド給与に登録しておきます。
プルダウンで選択できますが、どの業種を選択したらよいかわからない場合には、厚生労働省の労災保険率適用事業細目表を参考にして選択してください。

雇用保険料率用業種

雇用保険についても、雇用保険に加入しているかどうかを選択します。 雇用保険には、次の2つを満たす従業員がいる場合に加入義務が発生します。

  • 31日以上雇用見込みあり
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上ある労働者

これらを満たす場合は、「加入している」を選択してください。
また、雇用保険は、業種によって適用料率が変わってきますので、給与計算する事業所の業種をMFクラウド給与に登録しておきます。
プルダウンから、「一般事業所」、「農林水産業・清酒製造業」、「建設業」を選択してください。
この画面で雇用保険の業種選択をします。

これでMFクラウド給与の初期設定は完了です

これで、MFクラウド給与の使い始めるまでの一番初めの設定は完了しました。
この画面が事業所登録完了画面です。
ここから、細かい設定や従業員情報の登録が必要となりますが、まずはここまでをきちんと設定することが、MFクラウド給与を使いこなすための第一歩として重要となります。
間違えないようにきっちり登録しておきましょう。

小さな会社が従業員を雇っても安心して経営するために欠かせないこと

ヒトにまつわるお金の問題

小さな会社でも事業が成長したり、売上が増えてくると必ず頭を悩ませるのが、お金の問題です。
特に、ヒトに関するお金はシビアな問題がつきものです。
例えば、スタッフを採用するのであれば、

  • 給料はいくらにすればいい?
  • 頑張っているから昇給してあげたい・・・
  • 賞与はどれくらい出すべき?

というように、ヒトに関するお金のことで悩みは尽きません。
また、ヒトに関するお金は、想像している以上に経営に大きなインパクトを与えます。
スタッフを採用すれば、給料だけでなく、社会保険や通勤手当、賞与などの人件費はもちろん、机やパソコンが必要であったり、水光熱費なども増えるため、気がついたら想定よりも多くのお金が出ていってしまっていることもよくあります。
だからと言って、スタッフを採用しないと、事業は成長しませんし、何より仕事が回らなくなってしまいます。
ここで重要になるのが、しっかりお金(数字)を意識しながら、経営をシミュレーションすることです。
数字を読みながら、スタッフの給与、昇給、賞与などを決めていくことによって、お金で失敗するリスクを大きく下げることができます。

経営が突然死しないためのお金の動きを読むことが重要

このように、事業が成長すればするほど、出て行くお金が増えてきます。
そうなると、お金の出入りをきっちり把握し、経営を先読みしていかないと、お金を増やしていくことができません。
ここで重要になるのが、しっかりお金(数字)を意識しながら、経営をシミュレーションすることです。
数字を読みながら、スタッフの給与、昇給、賞与などを決めていくことによって、お金で失敗するリスクを大きく下げることができます。
経営を先読みするシミュレーションをしながら、お金の動きを把握することが、安定した経営のためにとても重要なポイントとなります。一般的に経営をシミュレーションしようとすると、会計ソフトから会計データをエクセルなどの表計算ソフトにエクスポートし、数字を動かしていくことでお金をきっちり残しながら、お金の使い方を考えることになります。エクセルは非常に便利なツールで、会計データがあれば、基本的なお金の動きの分析はできますし、編集などもできますが、いくつか越えるべきハードルがあります。
まず1点目ですが、お金の動きを分析をするためには、ある程度の会計の知識が必要になることです。特に、管理会計の知識がないと、売上を増やしたら、コストがどのように動いて、利益がどう変わるかといったあたりの関係がよくわからなくなって、手を焼くことになるかもしれません。
次に、エクセルは非常に優れたツールでゼロベースでいろいろなことができるのですが、裏を返せば、ゼロから作らないといけないので、結構大変な作業になってしまいがちです。私たちも以前はエクセルで経営シミュレーションのサポートをしていましたが、私たちプロがやっても、1社あたり毎月1〜2時間はエクセルの作業時間を費やしていました。
ですので、経営シミュレーションをするためには、会計の知識とエクセルなどのスキルがあればよりベターですので、大変かもしれませんが、勉強しながら経営を先読みしてみてください。
ちなみに、簡単に経営のシミュレーションをするクラウドツールもあります。
このクラウドツールを使えば、会計ソフトからデータを連携すると5分で、会計の専門知識がなくても簡単に経営をシミュレーションすることができます。
無料で利用することもできますので、経営をシミュレーションしながら、数字を読んだ経営をしたいという方は、一度試してみてはいかがでしょうか。

国見 英嗣

監修:国見英嗣(公認会計士)

有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社にて監査、ITコンサルティング、M&A・事業再編アドバイザリーなど経営管理領域の業務を幅広く経験。その後、株式会社ナレッジラボを創業し、代表取締役CEOに就任。

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