マネジメント

飲食店を開業するときに知っておくべき消防法の基礎知識

国見 英嗣

監修:国見英嗣(公認会計士)

有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社にて監査、ITコンサルティング、M&A・事業再編アドバイザリーなど経営管理領域の業務を幅広く経験。

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更新日:2020年1月9日 投稿日:2019年12月26日

飲食店を経営するためには食品衛生法や風営法だけでなく、消防法上の手続きについても押さえておくべき必要があります。
今回は、飲食店を開業するにあたって、事前に準備と理解をする必要のある消防法の対応について解説をしていきます。

消防法とは

消防法とは、火災の予防・警戒・鎮圧を行い、国民の生命・身体・財産を守る事や地震・火災等による災害を軽減する事を目的とした法律です。
飲食店を開業する場合には、消防法を無視することはできません。以下で、飲食店を経営する場合の消防法のポイントを解説していきます。

防火管理者

防火管理者とは、消防法で定められている防火管理の責任者であり、消防計画の作成や消防訓練の企画など防火対策を行う役割を負っています。
店舗において火災が発生すると、多くのお客様の人命を危険に晒すだけでなく、周辺の店舗やビルへの延焼による被害拡大も考えられるため、絶対に防ぐ必要があります。防火管理者はこの重責を負っていることから、アルバイトなどではなく、店長など責任感が強い方になってもらうべきです。
防火管理者は、店舗の収容人数や大きさによって、設置の要否や資格の種類が異なります。

防火管理者設置の要否

店舗の収容人数が30人未満であれば、防火管理者の設置は必要ありませんが、30人以上になると防火管理者の設置が必要となります。
この収容人数には座席数だけでなくスタッフも含まれるため注意が必要です。

防火管理者の種類

また、防火管理者は、店舗の大きさにより資格の分類が変わります。
延床面積が300㎡以上であれば「甲種防火管理者」が、300㎡未満であれば「乙種防火管理者」となります。
甲種防火管理者を取得する場合は、甲種新規講習として約10時間(2日間)にわたり、防火管理の意義及び制度、火気管理、施設・設備の維持管理、防火管理に係る訓練及び教育、防火管理に係る消防計画などの講習を受講する必要があります。
乙種防火管理者であれば、少し負担が軽減し、乙種講習として約5時間(1日間)にわたり、防火管理に関する基礎的な知識及び技能の講習を受講する必要があります。

防火対象物使用開始届出書

店舗を開店する場合、「防火対象物使用開始届出書」という書類を店舗の使用開始日の7日前までに、最寄りの消防署へ届け出る必要があります。
また、店舗の用途を変更する場合(例えば、飲食店をカラオケBOXに変更する場合など)やテナントが入れ替わる時も届出が必要になります。

防火管理者選任届出書

防火管理者を選任したら、防火管理者選任届出書を所轄の消防署長宛に提出します。
一般的には、防火管理者の選任が必要な場合は、資格のある適任者を防火管理者に選任した後、「防火管理者選任届出書」と「防火対象物使用開始届出書」を作成し、これらを所轄の消防署に提出します。

国見 英嗣

監修:国見英嗣(公認会計士)

有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社にて監査、ITコンサルティング、M&A・事業再編アドバイザリーなど経営管理領域の業務を幅広く経験。その後、株式会社ナレッジラボを創業し、代表取締役CEOに就任。

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