業務効率化

クラウド会計におすすめのインターネットバンキングの選び方〜法人口座編〜

国見 英嗣

監修:国見英嗣(公認会計士)

有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社にて監査、ITコンサルティング、M&A・事業再編アドバイザリーなど経営管理領域の業務を幅広く経験。

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更新日:2020年1月9日 投稿日:2019年12月26日

支払をラクにするためにも、クラウド会計を使いこなして便利にするためにも、マストとなるのがインターネットバンキングです。
でも、たくさんの銀行があって実際にどれを選んだらいいのかよくわからないですね。
また、銀行のホームページを見ても、インターネットバンキングの体系が結構複雑で選ぶのが難しかったので、今回は、クラウド会計を使いこなすためのおすすめのインターネットバンキングについて、書いてみたいと思います。

日本に銀行はたくさんあります。
平成29年2月時点で、銀行はメガバンクや地方銀行も含めて126行、信用金庫は264庫とかなり多くの銀行があります。
すべてを調べたい気持ちを抑えつつ、今回はメガバンクやネット銀行について調べてみたいと思います。

メガバンク

まずは、各メガバンクのインターネットバンキング口座でクラウド会計にぴったりのものを見て行きましょう。

三菱東京UFJ銀行

三菱東京UFJ銀行の法人用インターネットバンキングといえば、BizSTATIONです。
BizSTATIONには、BizSTATIONとBizSTATION Lightの2種類あります。
BizSTATION Lightは、インターネットバンキングの機能を絞ったシンプルなものであり、毎月の基本料金が無料のインターネットバンキングとなっています。

   BizSTATION BizSTATION Light 
料金
契約料金 無料 無料
基本料金 1,728円/月 無料
追加ID料金
  • 利用者ID数5件まで無料
  • 利用者ID数5件を超える利用者ID1件につき216円/月
ワンタイムパスワード
カード発行料金
無料 無料





利用者ID登録可能数 最大1,000件 最大2件
サービス指定口座
登録可能数
最大100口座 最大2口座





残高照会
振込・振替
税金・各種料金の払込(ペイジー収納)
明細照会 ×
初回のご利用日から90日間のみ利用可能
24時間サービス 申込み可能 申込み不可
追加サービス  申込み可能 申込み不可 

最低限のインターネットバンキングだけでよろしければ、月額基本料金が無料のBizSTATION Lightがよさそうですが、実はBizSTATION Lightは、ネット上で明細を見ることができる最初の90日間が過ぎれば、クラウド会計とのデータ連携は行えません
機能的にもいろいろと制約されているので、クラウド会計を活用しながら、インターネットバンキングを使っていくのであれば、月額基本料金が1,728円かかるものの、BizSTATIONを利用した方がよいでしょう。

三井住友銀行

三井住友銀行の法人用インターネットバンキングはパソコンバンクWeb21です。
こちらを見てみましょう。

機能 概要 エキスパート スタンダード デビュー
月額料金   21,600円 5,400円 2,160円
初期費用   54,000円 54,000円 無料
取引口座照会サービス 口座の残高や入出金明細、振込入金明細等を確認することが可能です。
振込・振替サービス 振込・振替 当日付けの振込・振替および翌営業日~5営業日先までの振込・振替の予約ができる。
通知預金の預入・払出 同一支店内に開設されたご本人名義の口座間で、振替による通知預金への預入・通知預金からの払出が可能です。
データ伝送サービス 総合振込 指定した日付の振込データを一括して伝送する。
給与/賞与振込 指定した日付の給与/賞与データを一括して伝送することができる。
個人地方税納付 指定した日付の納付データを一括して伝送することができる。
税金・各種料金払込
Pay-easy(ペイジー)
税金や各種料金の払込ができる。
振込先情報保管 お客さまの振込先情報を当行サーバー上に保管する。 3,000件 500件 200件
照会結果ダウンロード 入出金明細照会、振込入金明細照会で取得した明細をcsv/textのファイルとしてダウンロードできる。
振込データダウンロード 作成した振込データをcsv/textのファイルとしてダウンロードできる。
振込金額データ取込 振込データ作成時に振込金額のみを所定のcsv形式でアップロードできる。

こちらも、スモールビジネスや従業員が20名までの中小企業であれば、デビュープランでとりあえずは問題なさそうです。ちなみに、平成29年3月時点において、デビュープランを申し込めば、最大4ヵ月間お試し期間があり、期間中の月額料金は無料だそうです。
試してみるのもありですね。
ちなみに、三井住友銀行のコールセンターに電話して、「クラウド会計につなぐことができるインターネットバンキングはどれでしょうか?」と質問したところ、「パソコンバンクWEB21を含めて、クラウド会計に連携できるインターネットバンキングはありません。」という驚愕の回答がありました。
いろいろ聞いて行くと、銀行サイドとしてクラウド会計とインターネットバンキングを連携することを積極的に推奨しているわけではないから、このような回答になったとのこと。
ですので、もし銀行のコールセンターにこのような質問をして、「ない」との回答を得ても、心配しないでください。

みずほ銀行

みずほ銀行のインターネットバンキングは、みずほビジネスWEBです。こちら、以前はスタンダードプラン、エコノミープランがあったようですが、今はライトプランの一択のようです。

サービスメニュー サービス内容
月額基本料金 3,240円
初期契約料 無料
残高照会 リアルタイムで預金残高を照会できる。
入出金明細照会

入出金明細を最新分、日付指定で照会できる。また、当日を含め過去23営業日間の入出金明細を照会できる。

明細照会(日付範囲指定)

入出金明細または振込入金明細を日付範囲指定で照会でき、当日を含め、過去300日間の明細を照会できる。また、振込または入出金があった場合に電子メールで連絡が来る。

振込・振替 当日扱いの振込、1ヵ月先までの振込予約ができる。
総合振込 指定した日付の振込データを1度に20件までまとめて依頼できる。
振込指定日は15営業日先まで指定できる。

みずほ銀行は、ライトプランのみで他のメガバンクと比べて手数料が若干高め(月額3,240円)ですが、その分サービス内容は充実していますね。
また、こちらも平成29年3月時点において、申し込み月から6ヶ月分の基本料金を無料で使うことができるようです。お試しにはいいですね。

りそな銀行

りそな銀行の法人向けインターネットバンキングは、りそなビジネスダイレクトとりそなビジネスダイレクト(Mini)になります。

  サービス概要  りそなビジネスダイレクト  りそなビジネスダイレクト(Mini) 
月額料金   5,160円 2,160円
残高照会   預金残高、引出し可能残高等が照会できる。 
入出金明細照会 リアルタイムの入出金明細情報の紹介ができる 過去400日 最大2ヶ月分
振込予約 7営業日前まで振込予約できる。
総合振込 取引先ごとに振込先口座情報及び日付、金額を指定し、26営業日前から受付される。
 住民税納付 預金口座から、各社員の市町村税納付先情報を指定し、代行納付できる。 

こちらも当然ながらりそなビジネスダイレクトの方が機能は多いですが、りそなビジネスダイレクト(Mini)でもクラウド会計を使うということであれば、それほど支障はないようです。

メガバンクのインターネットバンキング手数料を比較してみましょう。

  東京三菱UFJ銀行 三井住友銀行 みずほ銀行 りそな銀行
  BizSTATION パソコンバンクWEB21(デビュープラン) みずほビジネスWEB(ライトプラン) りそなビジネスダイレクト(Mini)
基本料金 1,728円/月 2,160円/月 3,240円/月 2,160円/月
初期費用 無料 無料 無料 無料
入出金明細 前月1日~当日まで 最大6ヵ月前の月初1日以降 過去23日間 過去400日間
振込予約 45営業日先まで 5営業日先まで 1ヶ月先まで 7営業日先まで
総合振込

このように、各行ともそれぞれ違いますが、どれを選んでもクラウド会計を使うという観点から言えば、大きな差はありません。むしろ、振込予約をできるだけ先までしたいとか、入出金明細を長く持っておきたいとか、いう都合で選んでいただければよろしいかと思います。

ネット銀行

続いて、ネット銀行です。
こちらは、法人口座のある主だったネット銀行は、住信SBIネット銀行、楽天銀行、ジャパンネット銀行ですが、こちらについては、どの口座であってもクラウド会計との連携は可能です。
したがって、メガバンクのようにどのインターネットバンキングを選択しないといけないのか、という論点はなくなります。
そこで、ネット銀行を選択する上で重要になるのは、手数料です。
住信SBIネット銀行、楽天銀行、ジャパンネット銀行の手数料は以下のようになっています。

手数料の比較

銀行名 楽天銀行 住信SBIネット銀行 ジャパンネット銀行
月額基本料 無料 無料 無料
ATM手数料 入金 セブン銀行・イオン銀行・ステーションATMPatsat イーネット・ローソン・三菱東京UFJ銀行・みずほ銀行・ゆうちょ銀行 108円 セブン銀行・ローソンATM・コンビニATM・三井住友銀行

ゆうちょ銀行

3万円以上:無料
3万円未満:216円
3万円以上:無料
3万円未満:270円
毎月初回:無料
3万円以上:無料
3万円未満:162円
毎月初回:無料
3万円以上:無料
3万円未満:324円
出金 216円 270円 108円 毎月初回:無料
3万円以上:無料
3万円未満:162円
毎月初回:無料
3万円以上:無料
3万円未満:324円
振込手数料 同一行宛 3万円以下:51円
3万円以上:51円
3万円以下:51円
3万円以上:51円
3万円以下:54円
3万円以上:54円
他行宛 3万円以下:165円
3万円以上:258円
3万円以下:165円
3万円以上:258円
3万円以下:172円
3万円以上:270円

振込手数料は、楽天銀行と住信SBIネット銀行が同じで、ジャパンネット銀行が若干高めですね。
ATM手数料は、ちょっと複雑ですが、各行の特徴としては

  • 楽天銀行は3万円以上の入金が無料
  • 住信SBIネット銀行は入金・出金とも108円と安い
  • ジャパンネット銀行は毎月1回まで入金・出金がいくらでも無料

となっていて、選択の幅がありそうですね。
また、利用できるATMも各行の違いが出ています。
現金を入金したり、出金したりすることが多い事業形態(例えば、飲食店や小売店など)は、手数料や近くのATMなどから候補を絞ってみてはいかがでしょうか?
ネット銀行を選択するなら、どれもクラウド会計との連携を考えると大きな差はないため、やはり手数料とATMなどの利便性が大きな判断材料となります。
それぞれの事業の形にあった銀行口座を選択してみてください。

国見 英嗣

監修:国見英嗣(公認会計士)

有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社にて監査、ITコンサルティング、M&A・事業再編アドバイザリーなど経営管理領域の業務を幅広く経験。その後、株式会社ナレッジラボを創業し、代表取締役CEOに就任。

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