マネジメント

誰でも5分で経営を予測できる経営分析クラウドの使い方

国見 英嗣

監修:国見英嗣(公認会計士)

有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社にて監査、ITコンサルティング、M&A・事業再編アドバイザリーなど経営管理領域の業務を幅広く経験。

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更新日:2020年1月9日 投稿日:2019年12月25日

事業を経営していると、お金の心配が尽きません。
業績が安定していないときは「お金が足りるだろうか?」、利益が出てきたら「税金をどれくらい払うのだろうか?」など、お金のことは気になるものの、決算の予測は複雑で難しいため、よくわかりません。
そのようなお金の不安を解消するクラウド経営分析ソフトManageboardを使えば、会計データを使って簡単に5分で経営予測ができるようになります。
今回は、クラウド経営分析ソフトManageboardで決算を予測するステップをご紹介します。

クラウド経営分析ソフトManageboardとは

まず、クラウド経営分析ソフトManageboardからご紹介します。
Manageboardは、MFクラウド会計の会計データを使って、経営を分析・予測・共有するクラウド経営分析ソフトです。中小企業や個人事業などの小さい事業に特化しており、中小企業の経営者や個人事業主の方が簡単に扱えるクラウド経営分析ソフトとなっています。

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いくつかの特徴をもったクラウド経営分析ソフトですが、中でも一番のポイントは、MFクラウド会計のデータを連携するだけで、簿記や経理の知識がなくても直感的に経営数値を使って業績のシミュレーションや予算管理など、小さい事業を経営している経営者の必要な経営データを得ることができることです。
また、その経営データも、グラフなどのわかりやすい情報をパソコン上で操作できるためとても簡単です。
サービスを開発・提供しているのは、株式会社ナレッジラボという会社であり、財務コンサルティングや経営分析の専門家の経験にテクノロジーを掛けあわせたクラウド経営分析ソフトとなっていますので、プロの経営分析を誰でも簡単にできるようになったというのが、このManageboardとなります。

Manageboardを使った経営予測

このようなクラウド経営分析ソフトManageboardのいくつかある機能のうち、経営を予測する機能をご紹介します。
まずは、こちらの動画からご覧ください。

このように、簡単に経営を分析したり、予測したりすることができるクラウドツールとなっています。
経営予測ができれば、今期の業績の予想やシミュレーションがいつでもできるようになるため、次のような効果を得ることができます。

  • 赤字にならないようにするための目標設定ができる
  • 欲しい利益を残すために、どの程度の売上が必要か?がわかるようになる
  • スタッフの採用や備品の購入などの予算枠を設定できる
  • 利益が大きくなりそうなら、前もって税金対策を検討することができる
  • 目標を達成するための具体的な数値目標を設定して社内に共有できる

このように、決算予測ができると、会計を目標を達成するための具体的な経営管理に活かすことができるようになります。
ただ、これをエクセルでやろうとすると、毎月2〜3時間の作業と会計の専門知識が必要となりますが、クラウド経営分析アプリManageboardを使うと、5分の簡単な作業でできるようになるため、負担をかけずに経営予測を毎日の経営に組み込むことができるようになります。
まずは、会計データをManageboardにインポートするところからみていきたいと思います。

Manageboardを使った経営予測の具体的な手順

それでは、Manageboardを使って経営分析をしてみましょう。

会計データを連携する

まずは、会計データをManageboardに連携します。ここで連携するデータは、3月決算の会社を前提として、以下の2つの会計データとなります。

  • 前期の会計データ
  • 当期の会計データ(会計データが確定している7月までのデータ)

この2つの会計データをManageboardに連携して、サイドバーの「決算予測」をクリックすると画面が表示されます。

これは、どのような画面かというと、①4〜7月までは当期の会計データ、②8月以降は前期の会計データが自動で合算された12ヶ月分の業績(①+②)となります。
これが意味するのは、
7月が終了した時点で、8月以降前期と同じ業績であれば、今期の決算数値がどれくらいになるか?
という情報です。
具体的には、8月以降前期と同じような業績であれば、今期の売上は9,820万円、当期の利益は87万円になるということを表しています。
Manageboardでは、まずは初期値として、この当期+前期の業績見通しから経営をシミュレーションします。

売上のイメージを数値化する

まずは、経営者の頭の中にある売上のイメージを数値化していきます。
「イメージの数値化」というと、すごく難しそうですが、Manageboardを使えば、この「イメージの数値化」がワンクリックで出来ます。
決算予測の画面で「売上高」のグレー部分をクリックすると、売上の内訳が表示されます。

この時点で商品売上高が90,004,625円となっています。
ここで、経営者として、今期1年間の売上高がどの程度かというイメージをしてみてください。
例えば、今期は新規顧客の増加などがあって、年間の商品売上高が1億円くらいいけるかもしれないということであれば、このイメージを数値化してみたいと思います。
商品売上高の「今期見込」の欄に売上イメージを入力します。ここでは、100,000,000と入力します。

そうすると、自動で合計が1億円になるように将来月の売上高が表示されます。ただし、ここで表示される将来月の売上高は平均値として入力されるため、8月以降は同額の8,556,431となっています。
しかし、通常、売上高は季節変動があったり、毎月増減があります。
そこで、Manageboardでは、毎月の変動をいくつかのパターンで自動計算することができます。「予算の操作」という項目の選択ボックスの中に、以下のような選択肢が用意されています。

  • 前年同月の値
  • 前期の年間平均値
  • 実績最終月の値
  • 今期見込(平均)
  • 今期見込(前期波動)

ここで、前期の売上高の月次変動の比率で売上見込みを再計算したい場合は、一番下の「今期見込(前期波動)」を選択します。

そうすると、先ほどは平均数値として8月以降の売上高が表示されていましたが、前期の月次売上比率で再計算されました。
これで、経営者がイメージする年間売上高1億円を達成するために8月以降目標とすべき月次売上高が自動計算されました。

変動費は自動計算

売上高を設定したら、次はコストです。
まず、コストの中で、売上高の増減に応じて増えたり減ったりするようなコスト項目は、変動費設定しておくと非常に便利です。
変動費設定したコストは、売上高の金額が変われば、設定した変動費率に対応して自動計算されます。

変動費率は、前期の変動費率が自動適用され、必要があれば、手動で変更も可能です。
変動費設定したコストは自動計算されるため、非常に楽になります。

固定費は簡単に予算設定

固定費はさまざまなパターンのシミュレーションが簡単にできます。
今回はそのうちのいくつかのパターンのシミュレーションをご紹介します。

直近実績の金額と同額の発生が予定される場合

役員報酬が改定された場合、前期と比べて新しいリース契約を締結した場合など、決算期末まで、直近の実績と同額のコストが発生すると想定される時には、「予算の操作」で「実績直近月の値」を選択すれば、簡単にコストを実績値で横置きすることができます。
例えば、役員報酬を前期は毎月312,500円であったものが当期は325,000円に増額された場合、8月以降についても7月の実績値である325,000円に修正しないといけません。
その時に、「予算の操作」で「実績直近月の値」を選択すれば、自動で8月以降の役員報酬額を325,000円に修正することができます。

賞与のシミュレーションをしたい場合

賞与など、その期の利益に応じて支払額を変えるようなコストについては、決算の利益を想定しながらシミュレーションした方が、経営判断がしやすい場合があります。
このような場合は、今期見込みの利益水準を見ながら直接該当するコストの将来月の金額を操作することで、数値と根拠に基づいた経営判断ができるようになります。

毎月の予算枠を設定したい場合

広告宣伝費や交通費など、毎月の予算枠を設定し、その予算枠を超過しないように毎月の経費をコントロールすることで、経費の無駄遣いを防ぎ、コスト削減につながります。
そのような場合、「予算の操作」の選択ボックスの一番上にある入力窓に設定したい予算金額を直接入力すると、その金額が毎月の予算枠として設定することができます。

年間の予算枠を設定したい場合

交際費など年間の予算枠を設定して、その予算枠のなかでやりくりしながらコストの無駄を削っていくことで、利益を確保することができるようになります。
そのような場合は、該当するコストの「今期見込」の欄に年間予算の額を直接入力することで、年間予算額に収めるための毎月の枠を決算期末までの残りの月について設定することができます。

経営予測の結果を可視化する

このように、Manageboardを使えば、簿記や専門的な会計の知識がなくても、簡単に直感的な操作だけで経営予測ができるようになります。
でも、せっかく経営予測してもほったらかしにしていたら意味はありません。
簡単に手間と時間をかけずに毎月追いかけていくことができると、その効果は何倍にもなります。
Manageboardでは、簡単に経営予測の結果をフォローアップできて、毎月のPDCAに活用することができます。

予算実績分析

Manageboardには、毎月会計データを連携することができるようになっています。
会計データを取り込むと、決算予測した結果に対して、会計の実績がどのようになっていたかが簡単にわかるようになります。

このように、設定した決算予測と会計の実績をグラフや表で目標や予算枠と実績との差を簡単に見ることができます。
毎月、この結果を見ながら、決算予測を調整することで、経営のコントロールをしていくと、予期せぬ失敗や落とし穴を回避することができるようになります。

売上分析

また、取り込んだ会計データと売上予測の結果を月次の売上推移がわかるようなグラフで見ることができるようになっています。

このグラフがあれば、売上の中期的な変動が一目でわかるようになっており、長い目で見たときの経営の振り返りがしやすくなります。

コスト分析

さらに、過去から将来にわたって24ヶ月分のコストの推移を変動費と固定費に分ける分析ができるグラフも標準で見ることができます。

この分析によって、変動費率の変化や固定費の水準がどのような推移となっているかを簡単につかむことができるようになり、業務効率化やコスト削減の効果が簡単に分析できるようになります。

小さな会社の経営を可視化するクラウド経営分析ソフトManageboard

このようにManageboardを利用すれば、これまでは大変な手間と時間がかかり、かつ会計知識も必要としていた経営分析や予算管理が、小さな会社でも非常に簡単に手間をかけずに活用することができるようになります。
無料でご利用いただくこともできますので、予算管理にご関心がある方、簡単に予算管理をやってみたい方、経営を見える化したい方は、ぜひ一度試してみてください。

国見 英嗣

監修:国見英嗣(公認会計士)

有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社にて監査、ITコンサルティング、M&A・事業再編アドバイザリーなど経営管理領域の業務を幅広く経験。その後、株式会社ナレッジラボを創業し、代表取締役CEOに就任。

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