更新日:2020年1月9日 投稿日:2019年12月25日
なお、MFクラウド会計の勘定科目設定で固定資産と繰延資産以外については、以下の記事を参考にしてください。
参考記事:【MFクラウド会計の使い方】勘定科目の設定と留意点(貸借対照表−流動資産)
参考記事:【MFクラウド会計の使い方】勘定科目の設定と留意点(貸借対照表−負債・純資産)
参考記事:【MFクラウド会計の使い方】勘定科目の設定と留意点(損益計算書)
MFクラウド会計の勘定科目設定画面
まず、MFクラウド会計のホーム画面のサイドバーから「各種設定」>「勘定科目」と選択し、クリックします。
そうすると、MFクラウド会計の勘定科目設定画面に移ります。
なお、勘定科目の設定において、勘定科目自体や補助科目を追加したい場合は、画面下のこちらのボタンをクリックすることで、追加できます。
有形固定資産
有形固定資産とは、事業を行っていく上で長期的に使用する物理的な形のある資産をいいます。具体的には、店舗の建物や土地、工場の製造設備、オフィスにあるパソコンなどをいいます。
しかし、全ての有形固定資産を資産計上するのは面倒なので、10万円未満のものなど条件を満たせば、資産計上せずに費用処理できるものもあるためご留意ください。
MFクラウド会計の有形固定資産に関連する勘定科目の設定画面は次のようになっていまして、事業形態によっては不要な勘定科目も初期登録されていますので、これをカスタマイズしていくことがMFクラウド会計をうまく使っていくポイントとなります。
建物
建物とは、自社で所有している店舗や事務所、倉庫などの建設された建屋を建設したり取得したりするコストを計上する勘定科目となります。賃借している店舗や事務所など自社所有じゃないものは含まれません。 また、建物に追加で据え付けたパーテーションや壁紙などの内外装工事も建物となります。
建物を所有している場合、または今後建物を建設する予定がある場合は、建物の勘定科目を設定しましょう。
建物附属設備
建物附属設備とは、建物に追加で据え付けた空調設備、電気設備などの費用を計上する勘定科目です。
この建物自体が自社所有の建物でも賃借物件であっても、自社で工事をすれば建物附属設備として有形固定資産となりますので、ご留意ください。
建物の空調設備、電気工事などを行っているのであれば、建物附属設備の勘定科目を設定しましょう。
構築物
構築物とは、建物以外の建造物を購入・取得するコストを計上する勘定科目です。具体的には、駐車場のアスファルトやブロック塀、広告用の看板などが構築物に該当します。
このような構築物の設置を行っているのであれば、構築物の勘定科目を設定しましょう。
MFクラウド会計をうまく使っていくポイントですが、建物、建物附属設備、構築物は頻繁に動かないものの、通常金額が大きくなるため、建物と建物附属設備にどのようなものを計上するかを明確にしておくことが重要となります。特に店舗を自社で建設したり、内外装を大きく改装したりするケースはご留意ください。
機械装置
機械装置とは、主に工場で稼働する製造設備や加工、運搬のための機械などをいいます。
このような機械装置を購入しているのであれば、機械装置の勘定科目を設定しましょう。
車両運搬具
車両運搬具とは、営業車や配達するためのトラック、工場内のフォークリフトなどが該当します。
このような車両を保有している場合は、車両運搬具の勘定科目を設定します。
船舶
船舶は、文字通り事業で使う船を所有しているようなケースが該当します。
船を保有している場合は、船舶の勘定科目を設定します。しかし、あまり一般的ではないので、MFクラウド会計をシンプルに使っていくためには、船を所有しておらず今後も所有する予定がない場合は、チェックを外しておいても問題ないです。
一括償却資産
税法上、20万円未満の有形固定資産を購入した場合に面倒な減価償却計算をしなくても3年間で均等償却してもいいという規定があります。この規定を利用して3年均等償却をする有形固定資産を計上する勘定科目が一括償却資産です。
この3年均等償却の対象となる資産は、どのような事業形態であっても発生しうるものですので、一括償却資産の勘定科目は設定しておきましょう。
MFクラウド会計をうまく使うためには、一括償却資産にかかるルールをきっちり決めておくことです。20万円未満の備品などの購入が定期的に想定される場合は注意しましょう。
土地
会社で店舗や事務所、工場、倉庫などの土地を所有している場合は、土地の勘定科目を設定します。
MFクラウド会計では、土地の勘定科目が初期登録されていますが、土地を購入する予定がなければチェックを外しておきましょう。
減価償却累計額
土地以外の有形固定資産は減価償却という経理上の手続きが必要となります。
減価償却とは、建物や機械、車両など有形固定資産の価値は時の経過とともに減少していきますが、この価値の減少に応じて少しずつ減価償却費として費用処理していく経理上の手続きをいいます。
減価償却累計額は、文字通り、過去行った減価償却費の累計額を集計するための勘定科目であり、有形固定資産を所有している会社は設定が必要となります。
MFクラウド会計をうまく使っていくためには、減価償却は一つのポイントとなる勘定科目です。
無形固定資産
無形固定資産とは、事業を行っていく上で長期的に使用するために購入したものですが、権利や仕組みなど物理的な形のない資産をいいます。
具体的には、電話加入権などの権利やソフトウェアなどをいいます。 無形固定資産も有形固定資産と同様に10万円未満のものなど条件を満たせば、資産計上せずに費用処理できるものもあるためご留意ください。
MFクラウド会計では、無形固定資産について以下の勘定科目が初期登録されています。こちらも、自社に必要なものを選んで選択するようにしましょう。
電話加入権
電話加入権は、NTTの固定電話を引く時の施設設置負担金ですが、この負担金の支払いは経費として処理できず、無形固定資産として資産計上しないといけません。
そこで、NTTの電話加入権を購入している場合には、電話加入権の勘定科目を設定してください。電話加入権を支払う予定がない場合はチェックを外しても問題ありません。
ソフトウェア
社内で利用するソフトウェアでインストール型のものがあれば、無形固定資産として処理する必要があります。
したがって、30万円以上の高額な販売管理ソフトなどインストールが必要なソフトウェアを購入する予定があれば、ソフトウェアの勘定科目を設定しておきましょう。
借地権
借地権とは、土地を借りる際に支払う権利金や仲介手数料、更新料や整地費用など、土地を借りて利用するために必要となる支払を経て土地を利用する権利をいいます。
あくまで土地を借りる際のものであるため、店舗や事務所を賃借する場合は対象外です。
土地を借りて借地権が発生する場合は、借地権の勘定科目を設定しましょう。土地を借りて借地権が発生する予定がない場合は、MFクラウド会計をシンプルに使うためにもチェックを外しておきましょう。
公共施設負担金
MFクラウド会計では、公共施設負担金という勘定科目が初期登録されています。
公共施設負担金は、公共工事の負担金を支払う場合などに計上する勘定科目ですが、一般的にはあまり該当することがないため、とりあえずは設定しなくても問題ありません。
投資その他の資産
投資その他の資産とは、貸借対照表の固定資産のうち、有形固定資産と無形固定資産以外のものが計上される区分になります。
MFクラウド会計では、投資その他の資産として、以下のような勘定科目が初期登録されています。こちらについても、自社で必要な勘定科目を選択して、MFクラウド会計をシンプルに使うようにすると、経理処理が楽になります。
投資有価証券
投資有価証券とは、上場株式や投資信託のほか、グループ会社や取引先などの株式などの有価証券をいいます。
流動資産の部にあった有価証券は1年以内に手放す予定の有価証券を計上しますが、投資有価証券には、長期保有する有価証券を計上することになります。
このような有価証券を所有する可能性があれば、投資有価証券の勘定科目を設定してください。一方で、有価証券を所有する予定がない場合は、MFクラウド会計がシンプルに使うためにも、投資有価証券の勘定科目のチェックを外しておいてください。
出資金
出資金とは、信用金庫や信用組合、商工会議所などへの出資金や拠出金であり、株式以外のものを計上する勘定科目です。また、ゴルフクラブやレジャークラブの入会金も出資金となります。
信用組合や商工会議所への出資やゴルフクラブなどへの入会を予定しているのであれば、出資金の勘定科目を設定してください。一方で、これらの出資の予定がない場合は、MFクラウド会計がシンプルに使うためにも、出資金の勘定科目のチェックを外しておいてください。
長期貸付金
長期貸付金は、役員や従業員、取引先などに長期にわたり(1年以上)お金を貸し付ける場合に計上する勘定科目です。
長期の貸付がある場合、または発生する可能性がある場合には、長期貸付金の勘定科目を設定しておいてください。一方で、長期的な貸付の予定がない場合は、MFクラウド会計がシンプルに使うためにも、長期貸付金の勘定科目のチェックを外しておいてください。
長期前払費用
長期前払費用とは、1年を超えてサービスの提供を継続的に受けるために支払った費用のうち、残りの期間を前払費用として計上する勘定科目です。
こちらも決算時に必要となってくる勘定科目ですので、いったんは設定しておきましょう。
敷金・差入保証金
敷金は、店舗や事務所を賃借する際に、借主が物件の所有者に預けておく保証金です。
MFクラウド会計では、敷金の次に差入保証金という勘定科目があります。この2つの勘定科目を分けて設定してもいいのですが、試算表をシンプルにするのであれば、敷金を差入保証金に計上する方法がおすすめです。
この場合は、敷金の勘定科目は設定せずに、差入保証金の勘定科目だけを設定すればOKです。敷金のチェックを外して、差入保証金の勘定科目のみチェックを入れることがMFクラウド会計をうまく使うためのポイントとなります。
預託金
預託金には、外部に対してお金を預けるようなことがあれば計上する勘定科目になります。 しかし、預託金は一般的にあまり想定されないことや、もし預託金に該当するような取引が発生しても、差入保証金など他の勘定科目で代替できることなどの理由で設定しない方が経理をシンプルに行うことができます。
したがって、MFクラウド会計をうまく使うためには基本的には預託金の勘定科目を設定しないという方法をオススメしています。
繰延税金資産
MFクラウド会計では、繰延税金資産という勘定科目も初期設定されています。
こちらの勘定科目は、上場企業や大企業など法律での規制が厳しい会社が行う会計処理となります。
スモールビジネスや中小企業がMFクラウド会計をうまく使うという観点では設定不要の勘定科目ですのでチェックを外しておきましょう。
繰延資産
繰延資産とは、代金を支払ってそのサービスを受けてたけれど、その代金の支出の効果が、将来にわたって発生するようなものをいいます。これだけ読んでもよくわからないと思いますので、MFクラウド会計に初期設定された繰延資産を具体的に見ていきましょう。
創立費
創立費は、会社を設立するためにかかった費用を計上する勘定科目です。会社設立のための費用なので、個人事業にはありません。
具体的には、会社を設立するためにかかった以下のような費用をいいます。
- 定款作成費用
- 登記費用
- 司法書士費用
- 税理士費用
このような費用が発生している場合は、創立費の勘定科目を設定してください。
開業費
開業費は、会社を設立してから営業を開始するまでにかかった費用を計上する勘定科目です。個人事業の場合は、営業開始の準備から営業開始するまでにかかった費用となります。
具体的には、営業開始までにかかった以下のような費用となります。
- 開業までのチラシ作成費用
- 印鑑や名刺を作るための費用
- 開業のための打ち合わせ費用
- ホームページ作成費用
このような費用が発生している場合は、開業費の勘定科目を設定してください。
MFクラウド会計の勘定科目(貸借対照表−固定資産)が完了
これで、MFクラウド会計の勘定科目(貸借対照表−固定資産)が完了しました。
いかがでしたでしょうか?経理に馴染みがないとなかなかうまく設定できないものもあったかもしれません。しかし、勘定科目の設定はMFクラウド会計を使いこなしていくための基本的な設定になるため、きっちりやっておきましょう。
MFクラウド会計を活用して、会計を経営に活かす方法
ここまで、MFクラウド会計の設定方法を解説してきました。
MFクラウド会計をきっちり設定すると、MFクラウド会計を使った経理がスムーズにできるようになるはずです。
一方で、会計を経営に活かしたいけれども会計はよくわからない、とか、会計をもっと理解してお金の動きをつかめるようになりたいけど、どうも難しい・・・というお声をよく聞きます。
そこで、会計データを使って簡単に経営分析する方法をご紹介します。
MFクラウド会計から会計データをエクスポートする
まず、MFクラウド会計で見ることができる試算表や推移表など会計データを使った経営分析を行うことができます。
会計データを使った経営分析は、いろいろなパターンがありますので、今回は、一例をご紹介します。
MFクラウド会計にログインして、サイドバーの「会計帳簿」の「推移表」を選択します。
そうすると、MFクラウド会計の推移表の画面に移ります。ここで、いくつかの設定をします。
まずは、「月次」タブを選択し、その下の「損益計算書」を選択します。
次に、分析したい期間を「選択期間」で選択します。
その下のチェックボックス「補助科目を表示」にチェックをつけておきます。
これで、設定は完了です。
この状態で、損益計算書データをエクスポートします。画面の右上の「エクスポート」ボタンをクリックし、「損益計算書(CSV)」をクリックします。
そうすると、MFクラウド会計の会計データ(損益計算書の推移表)がMFクラウドストレージにダウンロードされます。
ダウンロードができたら、「損益計算書_月次推移_xxxxx_xxxxx.csv」というファイルの横にある「ダウンロード」ボタンをクリックします。
すると、このようなCSVファイルがダウンロードできています。
売上分析をしてみる
このCSVファイルを使うと、会計データをいろいろな形で分析することができます。
今回は、売上分析をしてみたいと思います。
まず、CSVファイルを開いて、売上高の分析したい期間を選択します。
次に、エクセルのグラフ作成機能を使って、売上推移のグラフを作ってみます。
エクセルの上の「挿入」タブを選択し、グラフの中の棒グラフのアイコンをクリックします。
ここにいくつかのグラフパターンが表示されますが、ここでは、「2ーD縦棒」の積み上げグラフを選択します。
そうすると、エクセルシートに棒グラフが作成できます。
このグラフに表題などをつければ売上推移グラフの完成です。
もっと簡単に経営分析したい時は
このように、MFクラウド会計を使って経営分析をするとなると、会計データをエクスポートして、エクセルなどの表計算ソフトで分析を進めていくことになります。エクセルは非常に便利なツールで、シンプルな会計分析であれば、作成はもちろんグラフなどの作成もできますが、難点もあります。
エクセルはゼロベースでいろいろなことができるのですが、裏を返せば、ゼロから作らないといけないので、結構大変な作業になってしまいがちです。私たちも以前はエクセルで会計分析のサポートをしていましたが、私たちプロがやっても、1社あたり毎月1〜2時間はエクセルの作業時間を費やしていました。
このように、会計分析をエクセルでしようとするといくつかのハードルがあって、せっかく経営にとって非常に有効な手法である会計分析が広まらない一つの要因でもありました。
私たちは、これらのハードルを取り除いて、会計分析をもっとたくさんの事業者の方に行って欲しいという思いものもとで、クラウド会計を使って簡単に会計分析できるクラウドサービスManageboardを開発しました。
無料でご利用いただくこともできますので、会計分析にご関心がある方、簡単に会計分析をやってみたい方、経営を見える化したい方は、ぜひ一度試してみてください。