経営分析

自社のビジネスモデル図を10分で書く方法


ビジネスモデル図というと、難しそうに聞こえるかもしれませんが、実はある程度パターン化して情報を記載していくだけで結構簡単に作れてしまいます。

ビジネスモデル図は、金融機関に対して融資の申込みをする際に作成された方が多いと思いますが、それ以外にも、取引先に自社のビジネスを説明する際にも使えますし、改めて自分自身で自社のビジネスを見つめ直す際にも非常に活用できます。

弊社は、お客様に対してコンサルティングを行う際に、まずはお客様に簡単にヒアリングをして、ビジネスモデル図を作成しています。累計で数百社ものビジネスモデル図を作成してきたノウハウを交えて、ご説明をさせて頂きます。

Step1 ビジネスモデル図の完成形をイメージする

まずは、ビジネスモデル図の完成形(ゴール)をイメージしておくことが重要となります。

ビジネスモデル図を作成したことがない場合には、何の情報が必要なのかわからないことが多いため、どのような情報があれば作成できるのかを理解するためにも重要となります。

本日解説をするビジネスモデル図の完成形は以下の図になります。

完成形を見るとちょっと難しいように感じるかもしれませんが、実はパーツに分けて考えて記載していくことで簡単に作成できます。ここからは、各パーツに分けて記載の仕方をお伝えしていきます。

なお、最初からパワーポイントなどできれいに作ろうとすると時間がかかるので、最初はA3の白紙にフリーハンドで書いてみる方がよいと思います。

Step2 ビジネスモデル図の大枠を記載する

実際にビジネスモデル図を書き始める際には、細かい情報からではなく、大枠から記載していきます。

書き始める際には、「得意先」、「当社」、「仕入先」、「外注先」の箱を記載します。

「外注先」を利用していない場合もあると思いますので、その際には仕入先だけ記載してください。

まずはビジネスモデル図に箱だけを記載すると、上のようなイメージ図になります。

あとは、ここに必要な情報を当てはめていくだけでビジネスモデル図の作成どんどん進んでいきます。

Step3 ビジネスモデル図に得意先の情報を記載する

ビジネスモデル図の箱を作成した後は、得意先の情報を記載していきます。

得意先から始める理由は、得意先の情報が一番つかみやすく、ビジネスの起点となるためです。

必要な情報は基本的には以下の2つとなります。

  • 直近の決算書の売上高の情報
  • 直近の主要得意先別の売上高の情報

売上高の情報をビジネスモデル図に記載すると、下のようなイメージ図になります。

ポイントは、全ての得意先を記載しようとはせずに、自社にとって重要な得意先、今後取引を注力したい得意先などを中心に記載します。

もし可能なら、得意先を取引の属性別に記載すると、より情報が整理され、活用しやすいビジネスモデル図になります。

例えば、上の図は得意先の業種別に整理を行い、「自動車向け」、「産業機械向け」、「建設機械向け」に分けて記載しています。これ以外にも、販路別や国別、国内の地域別など、自社のマーケットと考える単位で設定してみてください。

Step4 ビジネスモデル図に購買先の情報を記載する

次にビジネスモデル図に、仕入先と外注先の情報を記載していきます。

仕入先と外注先は、得意先ほど簡単ではないかもしれませんが、普段取引をしている先ですので、少し考えればリストアップできると思います。

もし、すぐに思いつかない場合には、決算書の勘定科目明細の買掛金や未払金などの相手先を見てください。

必要な情報は基本的には以下の2つとなります。なお、外注先がない場合には、外注先の枠をなくし、仕入先の枠を少し大きく記載してください。

  • 直近の決算書の仕入高と外注費の情報
  • 直近の仕入先からの仕入高、外注先との取引高の情報

ここのポイントも得意先の場合と同様で、自社にとって重要な取引先を中心に記載していくことです。また、年間取引金額も詳細まで不明な場合には、概算額で記載してください。

仕入先と外注先をビジネスモデル図に記載すると、上のような図になります。ここでは、仕入先を材料別に整理を行い、「鋼材」、「電気部品」などに分けて記載しています。

Step5 ビジネスモデル図の当社の情報を記載する

最後にビジネスモデル図に、当社の情報を記載していきます。 

意外と頭が整理できていないと書けないのが、実は当社の情報になります。

今回は製造業を例にしていますので、下の図の通り、当社の枠内を、上下で「販売/管理」と「製造」の2つに分けます。

次に、「販売/管理」と「製造」の役割(部署、工程など)を記載していきます。

「販売/管理」には、例えば「営業」と「総務経理」のように記載します。また、「製造」にも、自社が行っている工程などの順に、例えば「設計」、「切断」、「溶接」、「塗装」、「出荷」などのように記載していきます。

社内の部署や工程などを記載して整理していくと、社内でどのような業務を行い、付加価値を付けた上で、お客様からお金を頂いているのかが良くわかります。

一方で、すぐに頭の中で整理ができなかった場合には、社内での業務フローや工程、部署などを改めて見直してみると、業務改善のポイントが見えてくるかもしれません。

次に、各部署や工程ごとに、人数や重要な役職者名、主要設備などを記載していきます。

これらを記載していくと、自社の重要な経営資源のうち「ヒト」と「モノ」が、社内でどのように活用されているのか、あるいは付加価値を作るのに貢献しているのかが分かるようになります。

自社にとって特に重要な部署や工程には、当然ながらキーマンや重要な製造設備が配置されていることが多いです。

最後に、決算書から、人件費や労務費などの特に重要な数値情報を転記します。

「販売/管理」は決算書の「販売費及び一般管理費」から、「製造」は「製造原価報告書」から、特に金額的に大きい費目をピックアップして転記します。

これらの費用の情報も併せて記載しておくことで、自社のコスト構造や社内でどのような費用が発生しているのかも分かるようになります。

以上のステップでビジネスモデル図が完成です。

改めて完成したビジネスモデル図を見てみると、当初は難しそうに見えたビジネスモデル図が意外と簡単に書けるのをご理解頂けたのではないでしょうか?

まとめ

今回はビジネスモデル図をパーツに分けて、簡単に作成する方法をご紹介させて頂きました。

ビジネスモデル図を眺めてみると、こんな考えが思いついてくるかもしれません。

  • 今後も業績を伸ばしていくためには、●●社への売上高を伸ばさないと
  • ××部署のキーマンが育っていないから、▲▲を担当として育てていこう
  • たくさんある仕入先をもう少し集約して、購入単価を下げてもらえるよう交渉しよう
  • 来年の仕事をこなしていくためには、もっと外注先を増やさないといけないな

ぜひ一度ビジネスモデル図を書いて、自社の現状を振り返り、今後の進むべき方向や改善点を見つけてください。