儲かっている会社と儲かっていない会社の3つの違い

当社では、これまでさまざまな中小企業の事業再生や経営改善のお手伝いをしてきました。
経営改善が必要ということなので、私たちが関与を開始する時点では、どの会社も業績が伸び悩んでいたり、過去の投資の失敗から抜け出せていなかったり、いろいろな課題を抱えていました。
当然、会社によって抱えている経営課題が異なるため、1社1社経営者としっかり話をしながら課題を整理し、解決策を一緒に考えていくというサポートを繰り返していたのですが、これを繰り返していると再生フェーズにある会社が共通してできてないことが見えてきましたので、今回はこの点について書いてみたいと思います。

儲かっていない会社の特徴

まず、経営改善や事業再生が必要な会社、いわゆる再生フェーズにある会社の特徴をご紹介したいと思います。
再生フェーズにある会社の特徴は、

  • 会社としての目標を作って追いかけていくということができていない
  • 数字に対する意識が弱い
  • 従業員が自分のやるべきことが見えていない

ということが挙げられます。

会社としての目標を作って追いかけていくということができていない

まず、再生フェーズにある会社の大きな特徴として、会社としての目標がなかったり、あったとしても曖昧で従業員はおろか、経営者自身も十分に説明できないというようなケースが多くみられます。
会社としての目標がなければ、会社がどこに向かっているのか?何をしたいのか?が従業員に伝わらず、経営者と従業員の間の溝がどんどん広がっていってしまう大きな要因となります。

数字に対する意識が弱い

再生フェーズの会社は経営者個人も会社全体としても数字に対する意識が弱いケースが多いです。
目標が曖昧であることと表裏一体ですが、明確な数値目標を掲げ、その目標に全社一丸となって向かっていく姿勢がないことが、会社を弱くしています。
儲かっている会社は、売上を伸ばす、数字をあげることに対して、執念に近い意識を持っています。この数字に対する執着心がないと、厳しい経営環境を乗り切ることはできません。

従業員が自分のやるべきことが見えていない

こちらも会社が明確な目標を持っていないことと表裏一体の論点ですが、再生フェーズにある会社では、会社が進むべき方向(=目標)を明確にしていないため、従業員は目の前にある仕事をこなすことが自分の仕事だと考えてしまいます。
なので、従業員から主体性がなくなってしまうケースが多く見受けられます。
会社としての目標は、従業員のやりがいや仕事に対するモチベーションの源となり、従業員が何をやるべきかを示す重要な指針となります。

儲かっている会社がやっていて、儲かっていない会社がやっていないもの

このように、再生フェーズにある会社は、一定の特徴があります。
これを一言でいうと、

「会社としての具体的な目標が設定されておらず、従業員を含めた社内に共有できていない」

ということです。
これができていないため、せっかくの人材が有効活用できずに会社としての成果がでていないケースが多いです。
一方、儲かっている会社、成長している会社は経営者が「会社としての具体的な目標が設定して、従業員を含めた社内に共有して、組織を動かす」ことに全力で取り組んでいます。
その際に、儲かっている会社が必ず行っている管理手法が「予算管理」です。

予算管理が会社を変える

繰り返しになりますが、予算をうまく活用することで、「会社としての具体的な目標が設定して、従業員を含めた社内に共有して、組織を動かす」ことができるようになって、儲かる会社に変わっていきます。
私たちがお手伝いしてきた再生フェーズにある会社で、予算管理をきっちりしていた会社はほとんどありませんでした。

一方で、私たちの顧問先のうち、利益が出すぎていて困っているような会社、株価が高くなって困っているような会社は、ほぼ例外なく徹底した予算管理をやっています。
会社としての目標をきっちり立て、具体的な目標数値を置いて、社内一丸となって目標達成に向けて行動していくために、予算管理は絶対に欠かすことができない経営管理手法です。
このように予算管理は小規模事業や中小企業が利益を出して、経営を安定化させるためには欠かせない経営手法です。

では実際にどのように予算管理をしていくかというと、一般的には会計データを会計ソフトからエクスポートして、エクセルなどの表計算ソフトで作っていくことになります。
エクセルは非常に便利なツールで、会計データがあれば、基本的な予算管理はできますし、編集などもできますが、いくつか難点があります。

まず1点目ですが、予算管理をするためには、ある程度の会計の知識が必要になることです。特に、管理会計の知識がないと、売上を増やしたら、コストがどのように動いて、利益がどう変わるかといったあたりの関係がよくわからなくなって、手を焼くことになるかもしれません。

次に、エクセルは非常に優れたツールでゼロベースでいろいろなことができるのですが、裏を返せば、ゼロから作らないといけないので、結構大変な作業になってしまいがちです。私たちも以前はエクセルで予算管理のサポートをしていましたが、私たちプロがやっても、1社あたり毎月1〜2時間はエクセルの作業時間を費やしていました。
このように、予算管理をエクセルでしようとするといくつかのハードルがあって、せっかく経営にとって非常に有効な手法である予算管理が広まらない一つの要因でもありました。

私たちは、これらのハードルを取り除いて、予算管理をもっとたくさんの事業者の方に行って欲しいという思いものもとで、クラウド会計を使って簡単に予算管理できるクラウドサービスManageboardを開発しました。
予算管理にご関心がある方、簡単に予算管理をやってみたい方、経営を見える化したい方は、ぜひ一度試してみてください。

この記事の監修者

国見 英嗣

株式会社ナレッジラボ 代表取締役CEO

有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社にて監査、ITコンサルティング、M&A・事業再編アドバイザリーなど経営管理領域の業務を幅広く経験。その後、株式会社ナレッジラボを創業し、代表取締役CEOに就任。