更新日:2020年1月9日 投稿日:2019年12月26日
クレジットカードを用意する
事業でクレジットカードを利用する場合、主に次の3パターンのどれかになります。
- 会社名義のクレジットカード
- 個人名義だけど、事業専用に作ったクレジットカード
- 個人名義で、プライベートと事業を兼ねているクレジットカード
会社の場合は、会社名義のクレジットカードがあれば一番わかりやすいのですが、設立して間がなかったりすると審査のハードルが高いなど様々な理由で個人用のクレジットカードを使っているケースも多いと思います。
しかし、個人のクレジットカードを事業で利用する場合であっても、できれば事業専用のクレジットカードを用意したほうがいいです。経理作業が楽になりますし、特にMFクラウド会計を利用するときに事業専用のクレジットカードがあれば、圧倒的に効率化することができます。なお、個人名義で事業専用のクレジットカードを作る場合、引き落としの銀行口座も事業専用のものとしないと扱いが複雑になってかえって手間がかかるため、ご留意ください。
したがって、会社名義のクレジットカードにしても、事業専用のクレジットカードにしても、作る手間と時間を要しますが、後々の経理作業やクレジットカードの管理を考えるとかなり楽になりますのでおすすめです。
MFクラウド会計でクレジットカードを使う場合の事前準備
MFクラウド会計を利用する場合、クレジットカードをMFクラウド会計に連携させて、経理処理を効率化させることができます。
そのために、事前にMFクラウド会計にクレジットカードのWEBログインIDやパスワードを登録しておく必要があります。
こちらの記事が参考になりますので、MFクラウド会計でクレジットカードを使って便利に経理したい方はご覧ください。
参考記事:【MFクラウド会計の設定方法】銀行口座・通販の連携サービスの初期登録
クレジットカードの仕訳登録 ー会社の場合ー
クレジットカードでは、一般的に消耗品の購入や水道光熱費の支払いなど、経費対象となるような支払いが多いと思います。そこで、以下では、事務用品を1,000円でクレジットカード払いした時の仕訳登録の方法を解説します。
会社名義のクレジットカードの場合
会社名義のクレジットカードであれば、MFクラウド会計の連携機能を活かした経理処理を行うことができます。
購入した月
会社名義のクレジットカードで事務用品を購入した場合は、借方(左側)に事務用品費1,000円としますが、まだ、通帳からの引き落としはされていないので、貸方(右側)は未払金で、未払金の補助科目をクレジットカード会社しておきます。補助科目を設定しておけば、決算や確定申告の時にすごく楽になります。適用には、カード明細情報を記入しておくと、内容がわかるので便利です。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | 勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | |
事務用品費 | 課仕-8% | なし | 未払金 | 対象外 | カード会社 | カード明細情報 |
クレジットカードと連携していない場合は、クレジットカード会社から送られてくる利用明細から入力していきます。
口座から引き落とされた月
翌月に口座から利用代金が引き落とされたときは、先ほど計上したクレジットカード会社への未払金がなくなる(支払ったので未払いではなくなる)ため、経理上未払金を取り消さないといけないことから、借方(左側)は未払金(補助科目はクレジットカード会社)とします。
また、クレジットカード会社への預金口座からの支払いが行われたので、貸方(右側)には、普通預金(補助科目はクレジットカード会社の引き落とし口座)とします。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | 勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | |
未払金 | 対象外 | カード会社 | 普通預金 | 対象外 | 銀行口座 | なし |
個人名義だけど事業専用に作ったクレジットカードの場合
基本的には、会社名義のクレジットカードと同じ扱いでOKです。しかし、事業専用として完全に分けられている個人名義のクレジットカードと銀行口座であることが前提となっていますので、ご留意ください。
購入した月
会社名義のクレジットカードで事務用品を購入した場合と同じです。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | 勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | |
事務用品費 | 課仕-8% | なし | 未払金 | 対象外 | カード会社 | カード明細情報 |
口座から引き落とされた月
こちらも会社名義のクレジットカードと同じ扱いです。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | 勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | |
未払金 | 対象外 | カード会社 | 普通預金 | 対象外 | 銀行口座 | なし |
個人名義で、プライベートと事業を兼ねているクレジットカードの場合
この場合は、上記と経理処理が違ってきます。個人で立て替えていた経費を会社が精算するという処理を行います。したがって、MFクラウド会計にプライベートを兼ねたクレジットカードを連携するのであれば、連携した上で、事業上経費となるものだけを仕訳登録していってください。また、プライベートの支払は「対象外ボタン」で明細ごと削除してください。そうしないと、プライベートの取引明細がMFクラウド会計の中に溜まってしまうので、よくわからなくなってしまいます。
購入した月
個人名義のクレジットカードで事務用品を購入した場合は、借方(左側)に事務用品費1,000円としますが、事務用品を購入したクレジットカードの所有者が立替払いをする形になりますので、会社の経理処理としては、貸方(右側)を未払金とした上で、補助科目はクレジットカードの所有者とするようにします。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | 勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | |
事務用品費 | 課仕-8% | なし | 未払金 | 対象外 | カード所有者 | カード明細情報 |
経費精算された月
クレジットカードで購入した人が会社に経費精算する手続きが必要となります。個人のクレジットカードで購入した際のレシートや領収書と引き換えに、会社の小口現金で精算した場合は、まずクレジットカード所有者に対する未払金が消えますので、借方(左側)は未払金(補助科目はカード所有者)となります。そして、会社の小口現金が減少しますので、貸方(右側)は現金となります。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | 勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | |
未払金 | 対象外 | カード所有者 | 現金 | 対象外 | なし | なし |
クレジットカードの仕訳登録 ー個人事業の場合ー
個人事業でも上記と同じ事例(事務用品を1,000円でクレジットカード払いした時)の仕訳登録の方法を解説します。なお、クレジットカードの所有者は事業主である前提です。
個人名義だけど事業専用に作ったクレジットカードの場合
こちらは、事業専用として完全に分けられている個人名義のクレジットカードと銀行口座であることが前提となっていますので、ご留意ください。
購入した月
事業専用のクレジットカードで事務用品を購入した場合は、借方(左側)に事務用品費1,000円としますが、まだ、通帳からの引き落としはされていないので、貸方(右側)は未払金で、未払金の補助科目はクレジットカード会社となります。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | 勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | |
事務用品費 | 課仕-8% | なし | 未払金 | 対象外 | カード会社 | カード明細情報 |
クレジットカードと連携していない場合は、クレジットカード会社から送られてくる利用明細から入力していきます。
口座から引き落とされた月
翌月に口座から利用代金が引き落とされたときは、先ほど計上したクレジットカード会社への未払金がなくなる(支払ったので未払いではなくなる)ため、経理上未払金を取り消さないといけないことから、借方(左側)は未払金(補助科目はクレジットカード会社)とします。
また、クレジットカード会社への預金口座からの支払いが行われたので、貸方(右側)には、普通預金(補助科目はクレジットカード会社の引き落とし口座)とします。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | 勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | |
未払金 | 対象外 | カード会社 | 普通預金 | 対象外 | 銀行口座 | なし |
個人名義で、プライベートと事業を兼ねているクレジットカードの場合
プライベートを兼ねた個人名義のクレジットカードを利用する場合、MFクラウド会計に連携した上で、事業に関係する取引を選択して仕訳登録をしていくことになります(プライベートの利用分についてもデータ連携されますが、何もしないでください)。また、プライベートの支払は「対象外ボタン」で明細ごと削除してください。そうしないと、プライベートの取引明細がMFクラウド会計の中に溜まってしまうので、よくわからなくなってしまいます。
購入した月
プライベートを兼ねた個人名義のクレジットカードで事務用品を購入した場合は、借方(左側)に事務用品費1,000円としますが、事務用品を購入したクレジットカードの所有者が立替払いをする形になりますので、経理処理としては、貸方(右側)は事業主借とします。
借方 | 貸方 | 摘要 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | 勘定科目 | 税区分 | 補助科目 | |
事務用品費 | 課仕-8% | なし | 事業主借 | 対象外 | なし | カード明細情報 |
口座引き落としされた月
個人事業の場合は、口座引き落としされた月の経理処理は不要です。
MFクラウド会計のアマゾン自動経理設定の完了
これで、MFクラウド会計のクレジットカードの仕訳設定が完了しました。
いかがでしたでしょうか?慣れていないとなかなかうまく設定や登録ができないものもあったかもしれません。しかし、クレジットカードの自動仕訳の設定はMFクラウド会計を使いこなしていくためには欠かせない設定となりますので、時間をかけてでもきっちりやっておきましょう。
もし、不安がある方は、当社においてスモールビジネス向けにMFクラウド会計の無料設定サポートを提供していますので、もしMFクラウド会計の設定や使い方、操作方法などでよくわからないことがあれば、一度こちらもご覧ください。