更新日:2020年1月9日 投稿日:2019年12月25日
給料の支給で押さえておくべき要素
社長も含めて、給与が支給される人には通常給与明細が発行されます。
給料の経理処理には、この給与明細がポイントとなります。
社員(社長も含めて)に給料を支給する際には、いろいろな金額を計算して、足したり、引いたりしないといけません。
そこで、まずは給与明細がどのような項目から構成されているかを見ていきましょう。
固定給与
まずは、正社員の基本となる月額給与です。
基本的には、給与のベースとなる基本給と職能給や通勤手当といった毎月支給される諸手当が月額給与となります。
こちらは、雇用契約書や就業規則などで定められた給料のルールにしたがって個人別に計算され、昇給や昇格や引越しなどがない限りは毎月定額の支給が行われる給与となります。
変動給与
次に、毎月変動する給与です。
時間外手当や休日出勤手当など、その月の勤務時間に応じて支給される手当がこれにあたります。
こちらを計算するためには、タイムカードなどの勤怠情報を集計する手間がかかりますので、ここをいかに正確に効率化していくかがポイントとなります。
所得税・住民税
社員の給料から発生する所得税や住民税は、会社(事業主)が社員に代わって納税することになっています。
所得税や住民税は所得に応じて算定されるため、給料を計算するときに合わせて所得税や住民税を計算しないといけません。
社会保険・労働保険
社員の給料から発生するのは所得税や住民税だけでなく、健康保険や厚生年金保険といった社会保険や、労働保険である労災保険や雇用保険も会社(事業主)が納付しないといけません。
したがって、給料を計算する際には、社会保険料や労働保険料も合わせて計算することになります。
経費精算
社員が立て替えて支払った経費を給与の支払いで精算することがあります。社長や役員が立て替えた場合も同じです。
例えば、打ち合わせの際の喫茶店代や出張時の交通費や宿泊費などを社員が立て替えたものを、給与支払い時に合わせて支給するというようなケースです。
こちらも、経費精算する件数が増えると事務の手間が増えるため、経費精算する金額をいかに正確に効率化していくかがポイントとなります。
MFクラウド会計で給料を効率的に処理する方法
先ほど確認した給与明細を使って、MFクラウド会計で毎月の経理処理を行なっていきます。以下では、具体的な操作方法を含めて解説します。
なお、給与明細がない場合や、給与支給対象者が多くまとめて給与の経理処理をする場合は、給与明細の集計表を利用してもOKです。
仕訳辞書の登録
給料の経理処理は、毎月発生する定期的な処理になります。このように毎月発生する仕訳は、仕訳辞書登録をしておきます。
まず、MFクラウド会計のホーム画面のサイドバーから「各種設定」>「仕訳辞書」を選択し、クリックします。
すると、仕訳辞書画面に移ります。ここで「新規作成」ボタンをクリックすると、仕訳辞書の登録画面に移ります。
給料の仕訳については、複合仕訳という一度に複数の勘定科目を登録する仕訳を作っていきます。
まず、一番上の「仕訳辞書名」には、毎月の給料の仕訳であることがわかるような名前をつけておきます(例:「毎月の給料仕訳」など)。
次に、「行追加」ボタンを4回クリックして、仕訳の行を5行作ります。そして、次のような勘定科目と補助科目を登録します。金額は空欄のままにしておいてください。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
勘定科目 | 補助科目 | 勘定科目 | 補助科目 |
給料賃金 | なし | 未払金 | 給料 |
預り金 | 社会保険 | ||
預り金 | 雇用保険 | ||
預り金 | 所得税 | ||
預り金 | 住民税 |
このような形になります。
最後に「登録」ボタンをクリックして、登録完了です。こんな形で登録できます。
毎月の給料の仕訳
次に、MFクラウド会計の給与計算結果を入力する画面を見ていきましょう。
まずは、MFクラウド会計のホーム画面のサイドバーの「手動で仕訳」>「振替伝票入力」を選択し、クリックします。
すると、振替伝票入力画面に移ります。
まずは、MFクラウド会計の振替伝票入力画面から仕訳辞書で先ほど登録した「毎月の給料仕訳」を選択します。
そうすると、以下のように先ほど登録した仕訳が呼び出されます。
ここで、給料の経理処理を登録したい人の給与明細を用意して経理処理をしていく情報を確認していきます。
まず、支給の欄にある基本給や家族手当、住宅手当などの諸手当を合計した総支給額がMFクラウド会計上の給料賃金に入力する元数字となります。
次に、控除の欄にある健康保険料と厚生年金保険料の合計が社会保険料となり、雇用保険料、所得税、住民税なども含めて、控除欄の金額は、経理上預り金となります。なお、預り金の補助科目として、社会保険料、雇用保険料、所得税、住民税を割り当てます。
また、支給欄から控除欄を差し引いた社員への差引支給額は、社員への未払金として給与の未払となります。なお、経理処理をする際にすでに対象となる社員に振込済みであれば、未払金ではなく、普通預金等の現金・預金の感情科目となります。
このように、給与明細の情報を整理し、これを先ほどのMFクラウド会計の振替伝票入力画面に登録していきます。
全て入力したら、登録ボタンをクリックします。そうすると給料の経理処理が登録できることになります。
このような手順で、MFクラウド会計に毎月給料の仕訳を登録していくと、間違いなく効率的に給料の経理処理を行うことができるようになります。